BRM1006二日目

睡魔と闘いながら、高速道路の下をくぐって日本海側に出ると雨が降ってきました。
海岸沿いの道まで降りてくると雨はさらに強くなり、強烈な逆風が吹いていました。
時折大粒の雨になることもさることながら、
あまりの風に前輪の接地感がなくなることもしばしばです。
全くの平地で風が吹くと15km/hあたりまでスピードが落ちてしまいます。
完全な嵐状態です。
でも、雨粒が急に大きくなると、はっと我に返るようで、
とりあえず居眠りはしないで済みそうです。
延々と続く逆風吹く海沿いの道、早く内陸に入りたいと思い始めてから
60kmほど苦しめられました。
さらに150kmあたりから腰が痛みはじめました。
この二週間、重い荷物の移動が多かったため、腰にはかなりの負担がかかっていると思っていました。
一番おこって欲しくないことが起こりつつあります。
同じ姿勢で走ることはかなり辛いので、平地でもダンシングで腰を伸ばすようにしました。
100回転シッティングしたら20回転ダンシング、そんな感じでごまかします。
何とか4時前に179km地点のファミマ三国新保店に到着。
マコ母の歓迎を受けました。
マコ母はブルベ界の女神さま、でも無理だけはしないで欲しい…
とっても大きな力をいただきました。


10分ほどの休憩でおにぎり二つとカフェインドリンクの世話になり、再スタートです。
東尋坊を経由して金沢に向かいます。
少しずつ夜が白み始めたころ、一瞬意識がとびました。
このままではかなり危険なので、屋根つき長いすつきのバス停で横になることにしました。
走り出して10時間ほど、情けないけれど覚悟はしていたこと、
横になるやすぐに眠りに着きました。
40分ほど眠って、走り始めると誰かと会話をしたような気がします。
ここから80km先の高松まで、金沢市内の迷路を走ったのですが記憶がほとんどありません。
わずかに記憶があるのは去年ミスコースしたポイント
「ここを左折しなかったんだ…」「ここを真直ぐ行っちゃたんだ…」
なにせこの区間で去年は30km余分に走ってしまったんです。
それと後二度ほどバス停のお世話になったこと。
とにかく眠いのと腰がつらいので、いつやめてもおかしくない感じ、
スピードも這うような感じで、全く安定しない状態、
走り続けているのが不思議な感じでした。
そんな状態で278km地点のサークルK高松店に着いたのは9時40分でした。


コンビニではオレンジジュースとおにぎりで朝ごはんを済まし、
15分ほどで再スタートしました。
ここからは前の区間で一緒になったじんじんさんとIさんと同行することにしました。
が、走り出してすぐに後輪がパンク、ガラス片を拾っていました。
幸い雨は小雨で問題なくチューブラーの張替え終了、エアーカートリッジを使ってあっという間に走り出せました。
でも、また単独走行になってしまいました。
風は相変わらず向かい風の強風、雨は小雨〜土砂降りを繰り返していて、時たま晴れ間ものぞいたりしてよく分かりません。
交通量もかなり少なくなってきましたし、かなり走りやすい道になってきましたが、いかんせん体調が悪すぎて…相変わらずダンシングを繰り返して腰を伸ばしながら進みますがそれもそろそろ限界のよう、
そこで、一か八か、ステムを裏返してハンドルポジションを高くしてみることにしました。
ハンドル廻りにはいろいろなものが着いているので、ステムをはずすのに手間取りましたが、何とか30分ほどで手術終了、走り出してみると腰痛はかなりましになりました。
けれど今度はおけつの具合がちょっと…


ごまかしながら走っていると輪島の手前でまたしてもパンク、
今回使っているタイヤは初めて使うTUFOのエリート、
23mm幅で乗り心地はいいのですが、
どうも対パンクベルトが薄いみたいで
ビットリアの方がこの辺はいいのかも知れません。
近くにコンビニがあったので、おにぎりを食べてからタイヤ交換をしました。


輪島からは交通量もぐっと減り、向かい風の嵐も横風になり、
海岸線を快適に走ります。
程なく午後2時30分、388km地点PC4民宿『浜野』到着しました。
いつもでしたら、この休憩所あたりはそのまま通過するところですが、
今回はお風呂に入って、暖かいものをいただいて、しっかり仮眠を取りました。
正直言うと、このまま目が覚めなければ良いと思いながら横になったのですが、
腰の痛みがかなり酷くって、意識が飛ぶまで熟睡することはなく、うつらうつらしている程度でした。


午後5時30分、ライトとGPSの電池交換をして、休憩所を出発するほかの参加者に混じって(誰だったか覚えていません…)
走り出しますが、最初の上りでどんどん置いていかれます。
もう全く走れていない状態、心拍は130拍ほどですがそれ以上力を入れることが出来ません。
それでも、峠の途中で集団に追いついて、そのまま珠洲サークルKに到着、
座り込んでしまうと二度と走り出せそうもないので、
水だけ補給して、一足先に再スタートしました。


向かい風はもうありません。
しかし、激しい雨脚にたびたび襲われ、そのたびに首をすくめます。
走り方は相変わらず、100回転シッティングしたら20回転ダンシング、
機械的にこのリズムで走っている状態です。
この区間は海岸線と小さな峠を行ったり来たりするルートで、
道幅も広くとても走りやすい道、
しかし海岸線では波が高くって、時々道まで押しかけているよう、
警戒のため、監視の車が走り回っていました。
ずーっと単独走行、
程なくほぼ半分の490km地点、PC5サークルK鹿島田鶴浜店に着いたのは
日が変わった午前0時30分でした。