BRM1006三日目

身体がかなり冷えてきたので、今回のコンビニ食は肉まんとチャーハンとコーヒー、
補給食も羊羹やゼリー飲料も飽きてきたのでカロリーメイトに変更、
お腹と背中には新聞紙を入れて防寒&吸水を試みました。
これが正解、お勧めです。一時間ほどしてしっとりしてきた新聞紙は新しいのに交換すると効果倍増、身体や衣類の濡れた感じが全く感じなくなりました。


コンビニを出て一時間もするとまたしても激しい睡魔に襲われました。
今回は激しい雨に打たれても眠気がぜんぜん覚めず、かなり危ない感じ、
一人で上りの途中にあるラブホテルに入ろうとも思いましたが、
ホテルのすぐそばにあった屋根つきバス停に避難しました。


ヘルメットをかぶったまま一時間近く眠りました。
新聞紙を入れ替えて出発です。
530km地点の氷見から富山市内は去年酷く迷ったところ、
ところが今年はとってもすんなり行ってしまいました。
何か大きなバイパスが出来た感じで、いたってシンプルに通過できました。
去年は「ここ、ほんとに国道?」と引き返した極細、素掘りトンネルのR472も今年はなつかしく感じます。
極細区間ではたくさんの小動物に混じってイノシシに二度も会うし、凄い道です。
昨年直進して20km余分に走ってしまった鋭角右折の信号も今年はしっかりとQシートに載っていました。
ここまでこれといったミスコースもなく、
午前5時30分には570km地点のPC6サークルK富山八尾店に到着しました。


身体がかなり冷えていたので、肉まんとカップ麺でお腹を満たして、
新聞紙を交換(時間帯が悪かったのか危ない新聞しかなくてちょっとためらった、というか持って帰りたかった)
補給食はカロリーメイトのフルーツからチーズ味に変更(たいした違いじゃない?)
ウェットオイルをチェーンにたっぷりつけてスタートしようとしていたら、
じんじんさんとIさんが到着、やはりバス停で眠っていたそうです。


午前6時に一人で走り出すとまたしても眠気が襲ってきました。
交通量が多いR41、緊張して走っているせいか何とか眠らずに持ちこたえますが、
R360に入り、車の往来が途絶えるととたんにまぶたが重くなります。
仕方なくまた屋根つきバス停で横になることにしました。
雨はもう上がっているようで、鳥のさえずりがあちらこちらで聞こえます。


どのくらい眠ったのか、目が覚めると日が差し込んでいました。
アマガッパを脱いで走り始めると、じんじんさんとIさんが抜いていきました。
お二人ともとても元気です。
私は何時止まってもおかしくないくらい弱っていて、
走りも安定していない状態なので、
集団には参加せず、少し距離を置いて走ることにしました。
R360〜R471は流れの激しい宮川沿いを高山線とともに走る道、
高山線は運休してかなりたちますが、線路の上にアスファルトをひいて道路を横断させているようなところもあって、復旧はかなりかかりそう。
同様に道路もあちこち工事中、でも入ってくる車がほとんどないので自転車は走りやすい道でした。
めったに合うことのない車が後方から来ると、乗っているのは大塚バットとマコ母!
「がんばって〜」って言ってくれる言葉、とっても嬉しいけれどそのまま返したい!
俺たちは頑張るから、おめ〜らはたのむからもう頑張るな!休んでくれ…
でも、私がこんな状態で何で走り続けていられるのか、
絶対に納得できる結果などないことは分かっているのに、なんで止めようとしないのか、
私なりの理由が少し見えてきたように思いました。
「ありがとう…」


R41に入ると交通量がとたんに増します。
自転車は当然路肩に押しやられ、
アンチパンク能力が低いことが明らかとなっているTUFOタイヤは、またしてもガラス片を踏んでパンク!
これで今回用意した3本のTUFOタイヤ、全てパンクしてしまいました。
後のスペアタイヤは全てビットリア、頼みますよ!


またしても一人になって走ることに、
R41を離れても高山市内は交通量が多くって気が抜けません。
それでも美女峠の上りに入るととたんに交通量がなくなり、
上りながらリラックスできます。
やはり私は、どんなにきついコースでも交通量の少ない道が好きなようです。
車と一緒に走ること自体、とてもストレスになるようです。
インナーローを駆使して何とか峠を上りきり、さあ下り、しかし…
下り始めて下バーを持った瞬間、背中に激痛が走りました。
何とかブレーキをかけて停車して、路肩に倒れこみます。
しばらくうーうーうなっていましたが、うなっていても仕方ないので、
立ち上がって背中を伸ばしてみます。
伸ばしてみると痛みは耐えられないほどではなく、深く前屈しなければ走れそうです。
でも握力のい私は、下バーを持ってのブレーキングでなければ手のほうが持ちそうもないので
下バーを持って、ブレーキングだけサドルに腰掛けて、それ以外はトップチューブに座って背中を伸ばすようにして下るようにしました。とってもかっこ悪いです〜。


美女峠を下って、PCまであと20km、ゆるい上り坂が続きます。
道の駅で行われているお祭りを横目で見ながら(屋台が楽しそう!)
だらだら上って行きます。
この辺お昼なのにかなり気温が下がっているようで、
上りなのに汗が全くでないどころか、手足の指先が冷えて痛くなってきました。
PCまであと少しのところで大塚バットのプリウスと対向、
頼むから、じっとして休んどいてくれ〜!
午後1時20分、675km地点、PC7胡桃島温泉、休憩所到着しました。


ここではまず温泉!、
ドロップバックで衣装を着替えて上は半袖の上に長袖を重ね着、
レーパンも新しく履き替えました。
さらにマコ母からチョウザメのお刺身とビー○のサービス(マコ母のお箸でです!)
ありがとう!ご馳走様でした!
休憩所(はなれ)に帰ってひたすら眠りをむさぼります。
久しぶりの布団、身体が温まります。


午後3時、さらにアマガッパとレッグウォーマー、シューズカバー、冬用指つきグローブで走り出します。
まずは下り、下バーを持つとやはり腰が痛むので、ブレーキブラケットを握って、ペダルの上に立ち上がって下ります。
しかし、しばらくするとやはり指の握力が足りなくなってしまい、
下バーを持ってトップチューブに座る作戦をとることになりました。


長峰峠への上りは、急激な斜度変化もなく淡々と上って行きます。
途中じんじんさんと前後しますが、似たようなペース、
心拍は130拍ほど、しかしこれ以上上げると眠気が襲ってくるし、腰もきつくなって来ます。
程なく峠通過、下りはまたしてもトップチューブに座る作戦、
当然、じんじんさんとは差が開き、あっという間に見えなくなってしまいました。
開田高原に入り細かなアップダウンが続きます。
これがこたえました。この区間地蔵峠の上りがあるぐらいで後は下りと思っていたものなので、
何度も繰り返されるアップダウンは腰へのダメージをさらに深刻なものにしていくのでした。
最後の上りを終えて木曽福島まで下る13kmは斜度がゆるいところは立ち上がって腰のストレッチ、
急なところはトップチューブ作戦で下りますが、あまりの痛みに脂汗が出てきました。


何とか下りきると今度は魔のR19です。今回は上りなのでまだましだと思っていましたが
やはりムリ!
じんじんさんは、ひっきりなしに大型トラックが通過する車道を淡々と走って行きますが、
私は歩道を選択、ゆっくりと行きました。歩道はかなり荒れていてガラス片が光っています。
とにかくムリをしないようにしてパンクしないように走りました。
そんなこんなで751km地点、PC8のタイムリーに着いたのは日も暮れた午後6時でした。


ここでも肉まんとカップ麺を主食にして暖をとり、コーヒーで目を覚まします。
後4km、R19を走らなければなりません。歩道をゆっくり走って行きます。
今年開通した権兵衛トンネルに向かう道に入ると、車の往来もぐっと減り大変走りやすくなります。
いかにも峠道という上りをしばらく行くと目の前にこの場に似つかわしくない風景が入ってきました。
まるで高速道路のインターチェンジのようなループ橋がライトアップされていたのです。
ここまでやらなくても、もったいないと思うのは私だけでしょうか。
ループ橋の端はトンネルにつながっているのですがそのトンネルの中もまだ上り!
結局三番目のトンネルの途中までアウターに入れることが出来ませんでした。
トンネルを抜けると眼前の恵那峡目指して真直ぐに下るダウンヒルです。
実はこのために今回第三のライト、『3ワットLED』を仕込んできたのです。
ランタイムは2時間ほどですが、とっても明るい!
最高の下り!と思ったのもつかの間、腰が酷く痛み出しました。
どうにもこうにも我慢できず、急制動、わき道に倒れこみました。
仰向けになって腰を伸ばしながら真上を見上げると、そこにはなんと満天の星!
天の川を見るのなんて何年ぶりだろう。
酷い腰痛も私にこの夜空を気付かせるための神様のいたずらですか…
なぜか分からないけれど涙が溢れてきました。
痛い思いをするのも素敵なことに感動するのも生きているから…
腰の痛みも忘れて瞬く星に圧倒されていると、
頭のすぐ脇を自転車が二台通過して行きました。
わたしも行かなきゃ…
夜景の中に吸い込まれていくテールライトを追うように走り始めました。


恵那と飯田を結ぶR153は、恵那市内は路肩が少なく、荒れていて大変走りにくい道、
しかし、市内を離れるととたんに交通量が減って走りやすくなります。
しばらくするとじんじんさんらに追いつきました。
じんじんさんはかなり余裕があってスプリントなどして遊んでいました。
私はもういっぱいいっぱい、
短い上りで置いていかれて、長い上りで追いつく、長い下りで離されて、短い下りで回復する状態
そんなことを繰り返しながら、
827km地点、PC9健康ランド『湯〜民』に着いたのは午後10時40分でした。
ここでは大塚バット娘さんにサインをいただき(ご主人も似ている)
自転車のライトとGPSの電池交換をして、ドロップバックから食料を取り出して、出発しようとしましたら、じんじんさんらは仮眠をとるとのこと、私もしっかり便乗しました。
お風呂に入って休憩室で仮眠を取っているころ、日付は四日目と突入しました。