奈良サイクリング二日目

朝6時起床、外は小雨が降っています。


昨日コインランドリーで洗濯した衣装に着替えて
バイキングの朝食をがっつりいただいて出発です。


まずは奈良公園を抜けて春日大社
さすがに雨降りの朝7時前だと人気はありません、

延々と続く石灯籠がとっても厳かな雰囲気をかもし出します。
駐車場に自転車を止めて参道を登っていくと
「ここより1時間…」すでに初詣の準備の看板が出ています。
今日はどなたにも会うことなく南門に到着、

中門は閉ざされていて本殿まではお参りできませんが、
ここでは知り合いの病気の全快をお願いしました。
若宮神社紀伊神社にもお参りして自転車に乗って北に平行移動、

手向山八幡を経由して三月堂、二月堂に向かいます。
雨はいつの間にか上がっていました。

春日大社でも思いましたがすごいパワーを感じます、

三月堂も二月堂も散歩に来ているのでしょう、お年寄りが世間話に花を咲かせています。
この光景もこの場での日常なのでしょうね、
住職の説教のように心地いいものです。

二月堂からの眺めは金堂のでかさに圧倒されます。


念仏堂、鐘楼、と下って正倉院へ行きますが10時からなので塀の隙間から覗き見です。


金堂は近くで見るとさらに圧倒されます、大仏もでかくって全てのスケールの大きさに驚かされます。

人気がすくないことが余計自分を小さく見せていて中門のところで(金堂の正面)動けなくなってしまいました。
ほんと私は大きさとか高さとか金持ちには弱いみたいです。
大仏さんも下から口をあけて見上げている私たちを見て、
世の中ほんとあほずらばっか、とでも思っているのでしょうかね。
金堂の中では見学者が三人だけでしたのでマンツーマンで説明していただき、
すごく面白かったです。
(やる気のなかった鼻の穴もぬけてしまいました)


東大寺からちょっと寄り道、

春日大社の真北に新薬師寺という小さな古寺です、
拝観料\600-とはぼったくりのような気もしますが、
かつて東海自然歩道をたどっていたときに
奈良に入って最初にたどり着いたお寺なんです。
当時も寺社について何の知識もなかった私に、色々と説明してくださって
とっても懐かしいところ、
私が涼しげな瞳に弱い所は薬師如来さんのせいですよ。


細い小路をたどって奈良町へ、
とにかく幹線道路を一歩外れると小路ばかり、
GPSも迷っています、
元興寺経由、激坂のぼりをして興福寺到着です。


興福寺はやっぱり国宝館、
阿修羅像で有名ですがちょうどお帰りになっていました。
いつも踏ん付けられている鬼が主役になっていたり、
指を組んだ伝玄恕瘻怩にひきつけられたり、
彩色がはっきり分かる照明もいい感じです。


三条通りで奈良漬をお土産に買って、

唐招提寺に向かって西に走ります。
幹線道路は路肩が狭くって交通量が多くまいってしまいますが、
ここでも幹線道路を離れるととっても狭くなって、
そこいらじゅう『この先通り抜け出来ません』の看板でらけ、
観光シーズンどうなっちゃうんだろう…


唐招提寺は先日金堂の修復が終わったところ、
テレビで大々的にやっていて、
色彩も再現したとかしないとか、
すごく期待してやってきたのですが、



…すすけている?…


全然彩色なし…白黒のまんま…


しかも金堂の中にも入れず、
勝手に期待していたのだけれど、すごくさびしい
いいさ、いいよ〜っと、
隣の薬師寺はすんごいんだから!


細い小路を縫って薬師寺へ、
南門前の駐輪場に自転車を止めて
中門に目をやるとすごーくきれい!!!

今までずっと白黒の世界にいたのに
目の前の色彩に大感動、

阿吽もしっかり彩色されていて(けっこうはげていましたが)
知り合いのように「おまえら光物にあうねぇ」なんて話しかけてしまいましたよ。


中門をくぐるとその色彩に圧倒されます、
赤と緑と白と金色と…あぁ、瓦はグレーか…でも鴟尾はきんきらきんだぜ、

名前は知らないのですが屋根を支える木材のすべてのエンドにはきんきらきんの透かし彫り、
質素な色合いだった東塔が修復中なので、余計色彩が際立っています。


で、薬師寺のすごい所は外見だけじゃないところ、
金堂も講堂も内部の色彩もものすごくきれい、
天井最高!もうずーっと見上げていたい、
薬師如来さんも菩薩さんもぴかぴかに磨き上げているし、
装飾の色彩も完璧に再現していてほんと感動もの、
こういうのが見たかった〜!
今まで見てきた寺社は古いものをそのまま残している物が多くって、
昔はこうでした、色鮮やかでしたって
白黒写真を見せながら昔話を聞かされているようでなんかぴんと来なかった、
でも当時の彩色をよみがえらすことは、
当時の人々の思いを直接肌で感じることが出来る気がして、
それは文化なんて難しい物ではなくて、
こんだけ色彩があふれていると
みんな微笑んで見えるし、幸せな気分になれるんじゃないかなという
すごく簡単な喜びが感じられて、
それっていいんじゃないかなって思うんです。


薬師寺きてよかった〜
後は平城京跡と古墳群を見て京都に行こうと思っていた所、
偶然通りかかった西大寺と秋篠寺、

共に拝観者は私だけでマンツーマンで解説していただきました。
初めて知った愛染明王の朱色のお話や、
伎芸天女の歌のお話は、今後の観光の楽しみになりそうです。



で、平城京跡はだだっ広く、




前方後円墳はひたすらでかくって、上空に上がらないと何が何やら分かりません。
でも、人の手がすごく入っていてきれいにしていました。
(なんせ、宮内庁管轄なので)


さて、R24で京都に向かいます、
始めは路肩も広くっていい感じでしたが、
すぐに路肩減少、交通量も多いので
すぐ脇を走る県道に避難します、
たぶん旧道なのかな、所々に道標があったりしていい感じ、
でも北風はもろ受けてけっこう強度高いかも、
最後に小さな峠を越えてめでたく宇治に到着です。


さて10円玉の平等院の見学ですが、その前に腹ごしらえ、

川べりのお店で茶団子と鰻のいい蒸、
そんなに距離を走っていないのでお腹はあまり空いていません。



平等院は正直廃屋みたい…と思うのは私だけでしょうか、
確かにバランスのすばらしい建物なんでしょう、
でも…


宝物館に入りましたところ、
昔はこんなに色彩豊かな建物でしたってコンピューターグラフィックで再現していましたが、
だったら修復しようよ〜
って感じです、白黒写真はもういいや。


平等院にを出るともう4時が迫っていました。
でもどうしても寄り道してしまいそうな所を通らなければなりません。
伏見よ、何でこんな所にあるの?
引き寄せられるように狭い路地を通り抜けて

月桂冠と黄桜のミュージアムに寄り道、
重くなるのでそれぞれ二合瓶の重口の純米酒を二本づつ買って帰路につきます。


京都駅の銭湯に到着したのは4時45分ごろ、
ゆっくりあったまって、早速二合瓶を一口、
えっ、すごくうまい…
黄桜は東山酒造の魯山人…4合瓶にすればよかった〜


後は京都駅で輪行して、中央通路で中央口に出てラーメンと京風パフェをいただいて、

お土産大量買いして
(24日の伊勢丹地下はクリスマスケーキを買い求めるお客さんで大変でした)
18:30の新幹線で帰路につきました。