Fleche Japon2012 その2

信号の数は確実に減ってきているはずなのにやたらと引っかかります、
試走のときはこんなことはなかったのに
神様、これはなんの試練なんですか…


川越は443km地点のPC8、
焦っているのか先頭二人は気づかずに通過、
大声で止める、
到着した時点で15分の借金、
そそくさと次のPCを目指します。


試走時に単独でも26.5km/hをキープ出来ていたのに、
今日は信号にことごとく潰されます、
これから東にそして南東に向きを変えようとしているのに、
ずっと吹いていた西北風も止んでいる、
全てが裏目裏目に回って恨めしい限りです。


485km地点の関宿のPC9、
22時間ポイントまで68kmを2時間20分で走らなければなりません、
期待していた風は全く吹いていません、
しかし集団のスピードが一気に上がりました、
諦めていない!
ローテーションに入りたいけれど
今の私の力では邪魔になるだけ、
私に出来ることは最後尾からルート案内と、ペースを指示するぐらい、
コンスタントに借金は減ってゆきます、
残り38kmで12分、
残り22kmで7分、行ける必ず行ける、
残り10kmでミスコース!あと1分、
殘り4km、5時まであと11分、先頭に伝えましょう、もう大丈夫ですと、
見渡す限りの水田の中、遠くにミニストップの看板が見えてきました、
ゆっくりと、でも着実に大きくなってくる看板の姿は
近づくに連れてどんどん歪んで見えてしまいました…


凄い、この人たちは本当に凄い!
私は完全に傍観者になっていました、最前列の特等席に座ってかぶりついている傍観者、
何かとっても得した気分です。


22時間ポイント、553km地点、常総大橋近くのミニストップに4:57到着です。
みんなゴールしたごとく喜んでいます、
けれど、私たちはあと2時間で51km走らなければなりません、
きっちりレシートを取って、そそくさと補給をして、スタート、
柔らかな日差しの中、何か暖かいな〜
ゆっくりと感じてしまうけれど30〜31km/hぐらいで進みます、
このくらいなら私も参加できそうなので、
最後だけローテーションに参加させていただきました、
あと1km、最後の先頭はM船さん、
私以外はどなたでもふさわしいと思っていたら、直前で先頭交代の合図、
俺はないでしょうと躊躇しているとさらに交代の合図、
もう断れないとありがたく先頭でコンビニに飛び込みました。
時計は6:50、604kmのご褒美は…何にしたか覚えてないや(笑)


ゴールからナイスプレイスへ9km、
ゆっくりゆっくり進みます、
今回のブルベでこんなに長くインナーにいれたことなかったな、
K澤さんは初めてインナーにいれたんだって、
ナイスプレイス近くの犬吠埼のセブンにはサポートの方が待っていてくれました、
残っていた補給食、何をいただいても美味しくって
どんどん食べちゃう、
最後まで走れたのはこの胃袋のおかげかな、
次々と到着する参加者を迎えながら楽しい時間が過ぎてゆきます、


9時を過ぎたのでナイスプレイスのぎょけい館へ
駐車場のスタッフの姿が見えたとたん、
涙腺が崩壊しちゃいました。


まだまだ書きたいこと沢山あるのだけれど、
思い出すとまた涙腺崩壊しちゃうのでここでおしまいにします。


力があるから24時間で600km走れるんだと思われがちですが、
そこには人一倍苦しんで、人一倍努力して、誰よりも仲間を思って、
そして何より最後まであきらめない強い心があるからこそ
実現することが出来たのだと思います、
そして、力がなくっても素晴らしい仲間と出会うことができれば
600kmにたどり着くチャンスは必ずやってくるということを
身を持って証明できたのではないかと思います。


来年、複数のチームが600kmを目指し、複数のサポートカーが走ることを夢見て…