まぼろしのトンネルその3

team10802008-01-13

今日もMTBサイクリング。
車を麻綿原高原にデポして、
先日走っても大丈夫、かも?となった東大研究林の中を走る林道を走ります。
先日走った麻綿原-清澄寺間、そしてさらに清澄寺から西に走ります。
とってもよく整備されていて、雨上がりにもかかわらず轍も水溜りもありません。5.2km地点で厳重なゲートが締まっていて終了、ちょうど鴨川市君津市との境界あたりで、そこから先は歩行者も進入禁止でした。


林道から伸びる支線も4本発見、どれも状態がいいですし、そのうち1本は下界にまで通じていました。


以前から気になっていたのですが、清澄寺の近くに朽ち果てようとしている林道ゲートがあります。もうゲートとしての役をなしていない状態で、多分あったであろう進入禁止の看板もありません。国道から見ると奥に素彫りのトンネルが見えるのですが、地図によるとさらに2kmほど進むともう一つトンネルがあるようです。
ここはトンネルマニヤとして、ぜひ拝みに行かなければと国道から見えていたトンネルに突入しました。


トンネル内の状態はすこぶる良くて、これは自転車でいけるかもと期待に胸が膨らみます。
けれど、トンネルをぬけると目の前にあったのは沢でした…
というか、道が沢と化しているのです。トンネルから続く切通しが渓谷のように雨水を集め、沢となしている状態、足場が悪く自転車も切通しに立てかけて待っててもらうことにしました。


200mほど続いた切通区間が終わると、渓谷の中に刻まれた道に入ります。水の流れまで高さ10mぐらいでしょうか、かなり深いです。
ただ道の作りはしっかりしていて、土砂崩れで道路が塞がっている所はありましたが、路肩の崩壊は皆無でした。


トンネルから800mほどのところで突然道がなくなっています。周りは10m以上の断崖絶壁、対岸をよく見ると石組みの後があります。跡形もありませんがおそらく橋が架かっていたのでしょう。


しょうがないので渓谷の下に降りれる場所を探します。対岸の上っていくところはすぐに見当がついたのですが、下りる場所は100mほど戻らないと見つけることができませんでした。
正直言ってこういうときのMTBシューズ、ずるずる滑って使えません、一度すべれば底まで滑落するのは必至なので、はいつくばって両手両膝も参加して慎重に下りて行きます。足元から落ちていった石の転がって行く音の大きな響きに思わず両手に力が入ります。
帰りのことも考えて足場のステップを作っておくことも大事です。


上りは比較的楽チン?こちらもステップを作っておきます。


そんなことをじつは三回もして、やっとトンネルにたどり着きました。
目の前をリスが通り過ぎ、鹿だと思うのですが、甲高い泣き声(きゅい〜ん、きゅい〜んと泣いていました)が響き渡っています。
トンネルはもう役目を終え、静かに自然に帰ろうとしているように見えました。
トンネルの中は反対側の明かりがわずかにさしていました。
50mほどのトンネルなので、中でアップダウンがあるのだろうと先に進みますと、反対側の状態はかなり悪くって、ほとんど埋まっている感じ、出口ははいつくばって泥まみれになってやっと出られる程度の狭さでした。


トンネルの先は…そんなもん見ている余裕はありませんでした。
急いで戻らなければ!
崩れているトンネルの周囲の岩は、今まで見てきた素彫りのトンネルのものとは明らかに違っていて、触るとぽろぽろと小さな塊で崩れてしまうほどもろく、今にも崩れ落ちそうです。
トンネルの中もよく照らして見ると、足元は落盤した岩がうず高く積もっているし、天井は不自然に広くなっているところが多数、もっと注意しなきゃ…トンネルを抜け出たところで思わず座り込みました。


トンネルを最初に見たときに直感したこと、何で無視しちゃったんだろう…


これで気になるトンネルは最後かな?
もし気になっても、多分、しばらくは自重するかも…