福岡1000km三日目

日付の変わった熊本市内はとても静か、
風は相変わらず強いですが明らかに乾いている感じ、
台風通過したのかな?


時たま強い雨粒も落ちてきますが通り雨程度
気温も上がってきました、
レインウェアは風で袖口が破けていたので
熊本市内に入る前に脱いじゃいました。


熊本からR443→R387とつないで菊池温泉よりいよいよ阿蘇の上りです、
上り始めると一気に体温が上がって眠気が…
うしろからヒックスさんにすごい勢いで追い抜かれて
これはまずいと路肩の花壇に腰を下ろして目を閉じました。


座ったまま、完全に眠ったみたいです、
再び走り出すとなるほどすっきりしていて斜度も小さく感じます、
でも、なんか視野が狭いと思って目をこすると
なんと両目に巨大な目やにが付いていました、
こりゃ見えないわ、
経験したことのないでかさに思わず吹いてしまいましたよ。


菊池阿蘇スカイラインやまなみハイウェイとつないでいきます、
夜が明け始めました、
そして大観峰を通過ここから若干の下り基調、
のはずが草原地帯に出るとものすごい突風が吹き荒れていました、
これはかなりまずい、大丈夫かしら…
幸い風向きも強さも一定なので進む方向によって風の対処をしていく感じで
遅いながらも進んでいける感じです。
ただこの区間20km程はひたすら曲がりくねっている道、
道路の傾斜なんて全然関係なくって風向きが全てを支配している
下りのヘアピンカーブなんてコーナーに入ると
風で勝手にブレーキがかかっちゃって止まっちゃう、
横風には上半身と強いトルクで踏ん張る感じ、
左の手のひらが熱い、右足の膝も痛み出した、股の右側も擦れちゃったかな、
腰も辛くなってきた、
微妙なバランスで状態を保っていた体が
この区間で壊れました…


870km地点、通過チェックの三愛レストランは07:08到着
ここでもMassaさんと合流、
でも、私は腰が痛くって直ぐに下りには入れないのでしばらく休憩
スタッフさんにチョコをいただいて
遅れること5分で出発しました。


なんかすごい上りです、外輪山を超えるまででしょうが結構激っています、
なんとか上りきって下りに入ると『ようこそ大分へ』の看板、
あ〜大分通過するんだ…って、大分って東側じゃない!
私が行くのは西の福岡じゃん!!!
完全なミスコース、
通過チェック先の信号を左折なのに直進してしまいました。


なんと30分以上のタイムロス、
バカみたい、
とにかく今日中に千葉には帰れるので落ち着いて行きましょう。


通過チェックからの下りは道も乾き始めていて走りやすい、
けれどお腹もすいてきたので最初に見つけたコンビニで休憩することにしました、
でも、なかなかないな〜
結局45km走ったところでコンビニ発見、
あ〜Massaさんもお食事中〜
私はこのブルベ初の冷やし中華、やっぱり暑くなってきました。


ここもMassaさんより遅れて出発、
一緒に出ることもできましたがもう私が安定して走れる状態ではないので
先に行っていただきました。


この先はやたら河川敷だの用水路沿いだのを走るルート、
今までのダイナミックなコースとかなり違う感じ、
けれど突然の突風がひどくって気が抜けません、


935km付近で再びMassaさんと合流、
かなり具合が悪いみたいです、
自分ももう普通にはこげる状態ではないので
後ろにつきます。
PC手前の左折ポイントの距離が1km短かったので二人してウロウロ、


そんなこんなで961km地点のPC10に到着したのは11:40でした。


最後の区間はご一緒にということで、
250mアップの峠に向かいます、
最初はゆっくり走っていましたが中盤で一気にスピードアップ!
本気ではないのでしょうが全くついていけませんでした、
ありがたいことに峠手前で待っていて下さり、
ならば下りはついて行こうと頑張りましたが
二つ目のコーナーで玉砕、あっという間に離れてしまいました、
流石に下りは素晴らしいです、
迷いがないのがかっこいいです、
普段からものすごく視野が広くって、
情報を沢山捉えられていてすごいな〜と思っていましたが
ホントものすごいです。


平地に入って下りについてお話を伺うと
通常の視力も2.0以上あってさらに動体視力も結構よくって
ヨーロッパで走っていたときは
上りで2分遅れても下りで取り戻すことは普通だったとのこと、
すごいものを見せてもらいました。


さらに付け加えるとMassaさんの横風の受け流し方もとっても綺麗で
ものすごく勉強になりました。


そしてゴール手前3kmの林道に入ります、


交通量もないので併走しながらここで本題、
なんでブルベに?という質問に
しばらく考えてから
もちろん長い距離を走りたかったこともある…
例えば日本のことをあまり知らないヨーロッパの人を日本に招待して
自宅に招いた時に彼は靴を履いたまま家に上がってしまうだろう、
日本では靴を脱ぐことが普通だけれど彼にはそれを教えなければならない、
もしくはガイドブックの一行目に書いておかなければならないでしょう、
では自転車ではどうでしょう、
ヨーロッパで当たり前になっている乗り方が日本人に当たり前になっているだろうか、
クラブチームに入っているのなら教えてもらうチャンスはあるだろうけれど、
多くの自転車乗りは情報からの知識の人が多くって
残念ながらその情報は当たり前の部分は抜けちゃってその次のところからしか載っていない、
つまりお箸や茶碗の持ち方、はたまた茶道の作法は乗っているけれど、
靴を脱ぐことは載っていないんです、
特にブルベ参加者にはそれを感じていて
自分が参加することでそこの部分を発信する機会が増えるのではないかって思ったのです、


では、タイムにこだわる理由は?


だって一番が大好きなんだもの〜大好きすぎてヨーロッパまで行って
スプリンターと戦いに行っちゃった(笑)


ブルベって交通ルールに則ってPCオープン時間に通過することを守った上で
自由に走れるイベントでしょ、
支部によってはDHバーを許可しているところもある、
例えば200kmを6時間半で走れる人が8時間で走ることと、
全力で12時間かかる人が13時間で走ることと
どちらが安全のマージンがあるかといえば前者だと思う、
さらに速く走るためには走行中沢山の情報を得ることが重要だし
他の交通とのシンクロ、仲良くすることも考えなければならない、
強く踏むだけではブルベは速く走れないわけでしょ、
下を向いてもがいちゃったら情報を得ることができない、
まして汚い走りをすれば誰も寄り付かなくなる
安全のマージンが余裕を生む、
余裕があればつまらない違反はしなくなるだろうし、
(確かに信号無視等は余裕のない参加者の方が多い気がする)
極論かもしれないけれど
速く走る努力をすること、トレーニングをすることは
安全走行への近道だと思っている。


これ以外にも沢山のお話を伺うことが出来ました、
正直、この林道がもっと長いといいなって思っちゃいましたよ、


そういえば、フレッシュの時にこんな話も伺いました、
ブルベって自己完結なイベントみたいだけれど
自分はやっぱり沢山の人に助けてもらいたい
ルールでサポートができるならば使いたい、
万が一のトラブルの時にDNFを回避できる可能性は高まるわけだし
仮に怪我やトラブルでDNFしてもスタッフに迷惑かけない、


この話って
本人だけでなくってギリギリのパフォーマンスの方に発したものなのかもしれない、
余裕がないなら助けてもらって余裕をつくろうって。


確かに彼の発言は額面どうりに捉えると過激なものがあるかもしれない、
でも、その発言をそのまま取らまえて批判するのは
関西人に対してのマナー違反のような気もする、
関西人が変なことを言ったらまずは突っ込んでやらないといけないんじゃないかな、
そうすれば結構笑って済む話なんだと思う。


そんなこんなでめちゃくちゃほのぼにとしてのゴール、
13:43到着しました、

いつもながら半端な時間に到着してすみません、
スタッフの方々、本当に感謝しております、
災害によるコース変更も大変だったと思います、
そして台風が来ているのにいつものペースで今回の1000kmを開催していただきました
だんごむし会長の決断にも感謝いたしております、


でも、今は二度と台風の最中のブルベには出たくありません!