今年の正月に東博で等伯(しゃれじゃない)さんの松林図を見たのですが
周囲の「すてき〜」とか「幻想的〜」とかの完成とは違って
息子さんを失った深い寂しさみたいな思いを感じて、
他の等伯さんの作品をもう一度見直してみたくなったのですが
身内の不幸やら何やらでなかなか京都に出かけることもできず、
また行けても特別公開の最終日が目白押しの日だったりして
なかなか実現できなかったのですが
やっと本日実現する運びとなりました、
前日の天気予報だと終日雨模様、でも自転車で回りたいので
雨具と着替え2セット、拝観用の靴下など結構な荷物になってしまいました、
今日は品川駅06:00発ののぞみ99号、朝ご飯は恒例の貝づくし弁当です、
京都駅に着くと路面はぬれていますが雨は上がっていました、
けれどかなり蒸し暑いです、
今日は北口で自転車を組み立ててまずはまるき製パン所へ、
朝は注文を聞いてからコッペパンに具材を挟んでくれます、
今日はハムロールとサラダロールとクリームとチョコ行きました、
で、まずお参りするのは新熊野神社、
大クスノキにお願いをしに来ました、
茅の輪も潜っておきましょう、
さて、等伯さんの作品を見に行きましょう、
智積院、
ここには等伯さんと息子さんの最初で最後となった共同制作が宝物館に保存されています、
祥雲寺の障壁画、照明がLEDになったのでしょうか、
館内はかなり明るくなっていて細部まではっきりと見ることができます、
この時が気持ちの絶頂期だったんだろうな、
息子さんに厳しい言葉をかけながらも笑みがこぼれてしまう、
そんな等伯さんの姿が容易に想像できます、
そう思ってみるとまた国宝も違った姿に見えてきます、
北上して八坂方面へ、
とっても蒸し暑いです、汗が滴ってきました、
雨は降っていないのですが全身ずぶぬれ状態です、
八坂庚申堂、くくり猿を購入、
あふれちゃっている欲望をこれで抑えていただきます、
ご近所の圓徳院
こちらはライトアップしたお庭や秀吉さん(おねさん)の宝物の特別公開の時に何度か拝観しましたが
こちらには等伯さんの実質の京都デビュー作というかお抱え絵師に対する殴り込み作
大徳寺三玄院の葵の紋の入っている襖に山水図を無断で描いてその実力をお抱え絵師界にとどろかせた
そんな襖絵が一対見ることができるのです、
50歳を過ぎてもなお一番ギラギラしていた感じなのかな、
高台寺、八坂神社に挟まれた月見町に昔からの自転車仲間のお店があります、
今年春に彼が家業を継いで八代目に襲名されたそうで
ちょっと顔を出してお祝いを渡そうと思ったのですが
残念ながら今日は留守のようでお顔を見ることはでず、
お父さまにお祝いを渡してまた来ることを伝えていただくことにしておいとましました、
丸山公園を突っ切って北上、
蹴上から『ねじるまんぼ』を潜って南禅寺へ、
こちらには等伯さんのライバル、狩野永徳さん作と近年噂されているのデジタル複製画があります、
狩野派って工房形式、集団で作品を仕上げるので
マニュアル本が存在したそう、作風も3種類あって、場所によって使い分けていたそう、
それぞれのバージョンの鶴や猿、虎の書き方マニュアルもあったそうで
永徳さんも元信も探幽も三種類の作風があって登場人物、動物も似ているらしいのです、
今までお庭ばかり注目していましたが、
楽しく拝観することができました、
つづいては塔頭の金地院、
今日は特別拝観を申込みました、
方丈の襖絵は狩野派のものが中心、
しかしかなり塗料が劣化してしまい、下書きが浮き出ていました、
でもそれがまた面白くっていい経験できました、
等伯さんの描いたお猿さんは大徳寺の虫干しで見ることができる牧谿のおさるさんがモデルだそう、
狩野派も同じように牧谿の絵がモデル、本物は見ることができませんものね、
茶室は小堀遠州好み、窓を多くとって明るい雰囲気、
暗さを好む利休さんとは違うけれどにじり口を中央に分けてお客を地位で分けちゃうところは武士らしいのかな、
\600‐追加でしたが結構楽しかったです、
お昼を過ぎたので近所のインクラインでパンで昼食、
すぐに細見美術館へ、今日は若冲展です、
確かに例の若冲展、細身美術館所蔵多かったものね、
平日だからでしょうか、ぎゅうぎゅうということもなく
じっくりと間近で見ることができました、
お弟子さんの作品も展示されていましたが、やっぱり別物でしたね、
細かいデティールの墨の濃淡なんかも見ることができてとっても面白かったです、
河原町通りを北上して出町柳の和菓子屋さん『ふたば』へ、
時間が悪くって結構並びましたが豆餅と神無月ゲット、
というか6月30日はそれしか売っていません(笑)
相国寺を真横に抜けていくと美術館の立て看板が、
なんと明日から若冲展ですと、それも動植綵絵のレプリカも一緒ですって!
あ〜、一日違い…
でも9月までやっているようなので涼しくなってからかな、
続いてやってきたのが本法寺、
こちらには等伯さんが息子さんの七回忌に奉納された縦10mに及ぶ涅槃図の大作が拝観できます、
通常は複製画かかっていますが、春には本物も見ることができます、
息子さんへの思いの強さが感じられる作品で
すみっこには等伯本人も描かれているようです、
続いて大徳寺、
と、その前に今宮さんにお参り、
茅の輪を潜り、重軽石に挑戦、
今回はダメでした…
14:30より大徳寺塔頭の聚光院の特別拝観、¥2000‐なりです、
内部はもちろん撮影禁止、お庭も今回はダメでした、
でも永徳中心の襖絵は素晴らしく、
また方丈における絵画の配置についても詳しく説明してもらい
とっても楽しく過ごすことができました、
お茶室も利休好みの暗いものでしたが、
詳しく説明していただき茶室にも興味わいてきました、
ところどころに凝っている工夫もあってびっくりでした、
でも、ここってなんか来たことある気がするんだけれど…
数年前に特別公開あったかも???
時間が余ったので激込みの金閣寺の横をスルーして
同志社大学のバスターミナル横の堂本印象美術館へ
どちらかというと婦人画報か何かの表紙の美人画で有名で
どうしてもお寺の襖絵と結びつかなかったのですが
ここにきてそれらがつながって新たな発見ができました、
習作やデッサンも展示してあって
とっても面白かったですが、
正直、日本画家って若冲以外はデッサンあまりうまくないかもって思ってしまいました、
特に美人画はデッサンがあまりにブス過ぎてこれがこんなになっちゃうのって感じでした、
さあ、帰路につきましょう、
金閣寺に出る前に昔からの古い道を繋いで御所横の護王神社へ
今日は15:00から茅の輪潜りの例祭でしたが
お祭りはいまだ続いていて、氏子さんもどんどん詰めかけてきていて
境内はほぼ満員の状態、旅行者が入り込む隙はありませんでした、
冷たいかき氷でもと思い和菓子屋さんの喫茶室に入ろうとお店を探しますが
今日は神無月の販売で手いっぱいのようで喫茶室はどこもお休み、
なので諦めて錦市場でお買い物、
でも、ここも外人で占領されてしまった感が強くって
人の流れがすごく悪くなってしまいましたね、
ちょっと悲しい感じ、唐辛子と奈良漬とじゃこを買ってそそくさと退散しました、
裏道を使って祇園へ、
楽しみにしていたギャルソンクレープは
なんと木曜定休日になっていました…
諦めて京都駅へ、自転車を輪行準備していったんかき氷休憩、
お土産を買っっていたら、甲ダイニングの出店があったので今日は焼肉弁当です、
まだまだ時間があるのでパフェ休憩、
やっぱりえらく脱水していました、
とっても遊んだ今日一日、
襖絵とお茶室に関してちょっと勉強しちゃった気分でした。
うん、かなり面白いです、