PBPツアー4日目

team10802007-08-20

いよいよスタートの日がやってきました。
7時に起床して、いつもの朝食、
あれ、今日はヨーグルト付だ!


食後は近くのスーパーに行って買出し、
パリブレスト×2とタルトタタン(また!)、ツナサンド、
コーラ、それとゴール後のお楽しみワイン、カオールの1997年で2ユーロ!


大方準備が終わったつもりが肝心のことを忘れていました。
ジャージを着る順番を決めていませんでした。
色々悩んだ結果、AJ埼玉→TEAM GIRO→AJジャージに決定!


さあ、後はスタートまで寝るだけ、
でも興奮して眠れるわけもなく、導眠剤も効果なし…
布団の中でじっとしたまま起床時間の3時30分を待ちます。
そんな状態で時間になったらおもむろに置きだして、
ツナサンドとパリブレストをほおばります。
タルトタタンパリブレストはスタート前に食べるためバックにしまって、
いよいよスタート会場に出陣です。


ちなみに衣装はAJ埼玉ジャージにスポーツフルのシームレスパット付のビブ、
レッグウォーマー、ニーウォーマー、薄手の指付靴下、指きりグローブ、
靴は一サイズ一週間前に大きくしたDTMのキョーマとなりました。


補給食はパワーバー4個、一口羊羹3本、卵饅頭1個、アミノバイタル4袋が背中に入っています。


90時間スタートの方は私たちより一時間スタートが遅いのですが、
皆さん主催者が用意したディナーを申し込まれていたようで、
大集団でホテルを一緒に出発しました。


スタート会場について、タルトタタンを食べながら、しばらくぶらぶらしていると、
カリスマIさんが「そろそろ並びましょう」って、
私はゆっくりスタートするつもりなのでお断りしようと心には決めていたのですが、
そんなことどっかに吹っ飛んでしまうほどの興奮状態!
先頭から50番目ぐらいに並んでしまいました。
口の中はすぐからからになってしまうし、1Lのボトルダブルでよかったと思います。


午後7時30分少し前でしょうが、
目の前の扉が開かれ、自転車の列が前に進みます。
ブルベカードに最初のスタンプが押されて(磁気カードはここでは出番なし)
道路に飛び出します。
50mほど走ったロータリーのところでストップ、ここがスタートラインになります。
ポジションはなんと前から3列目!
日本人は全然まわりにいません。
周りは荷物の少ないいかにもという感じのレーサーばかり、
正直、私場違いな感じでした。


大方のセレモニーが終わって先導バイクが現れると興奮状態は最高潮!
口の中がからからです。
カウントダウンらしきものの後に一斉にスタート、肩ががんがん当たります。
先導バイクがいるためにスピードはあまり高くありませんが、
対向車や路上駐車があるたんびに急ブレーキ、
私はカーボンホイールのため制動の立ち上がりが遅く、
そのたんびに前方の隙間に飛び込むようになってしまい、
5km過ぎには前方にはバイクの姿しか見えなくなっておりました。
さすがの私もこれはやばいと思い、右端に徐々によってペースダウン
いったん前に人が入ってくれると、車輪一つ分開けるだけで必ず誰か入ってくれるのでどんどん下がっていけます。
ちょっと一息ついて心拍を見ると160拍!、当然150拍にセットしてあるアラームは鳴りっぱなしです。
何とか140拍台に下げようと右端をじわじわ下がっていると、やってきました本物たちが!
20kmを過ぎたあたりでしょうかK藤さん、カリスマIIコンビが快調なペースで抜いて行きます。
皆さんには日本の力を見せ付けていただきたい、私は…私は完走しますから!
皆さんが通りすぎてすぐにあたりは真っ暗になってしまいました。


大きな先頭集団が視界から消えて、すぐに第二集団がやってきました。
この集団はおよそ50人あまり、中に一人小柄な人がいてどうも女性?のようです。
この集団は平地では一列棒状、結構速いのですが、
上りは団子状態になってとっても遅くて、後の方にいる私が上りの頂上では先頭に出てしまうほどで、
毎回下りとその後の上り返しの初めは先頭を引かされていて、
ここでも心拍はちょっと上げすぎてしまいました。
で、この集団の走り方の特徴は、というか皆やっていた走り方なのですが、
上りが始まると皆そろって1〜2枚シフトアップ!してダンシング開始、
上りのピークまでそのままゆっくりとしたペースで上がり、
下りにかかるとそのままのギアかシフトダウンして回して下っていました。
郷に入れば郷に従えって言うのでしばらくまねをして走っていましたが、
上りはスピードが合わないし、下りはけつが痛くなりそうでしたので、
とっととやめ、下りもしっかりシフトアップして低ケイデンスで走っていました。
あ〜早くこの集団から離れたい…
なんて思っていたバチなのでしょうか、突然の睡魔が…
まだ100kmしか走っていないのに、どんどん左側を他の参加者の自転車が流れていきます。
眠さのために全く走れなくなってしまいました。
日本を出発する前は48時間寝ないで走れるペースを作ってきたなんて大口をたたいてきたのに、
4時間もしないうちにこのざまです、何しにフランスまで来たのか…
スピードは一気に10km/h台に落ち込み、走りもかなりふらついているもよう、
何か作業をすることで目を覚まそうとパワーバーをかみ続けます。
何とか最初の補給所140km地点のモルターニュ(コントロールではない)にたどり着いて、
大盛りコーヒーを頼みました。
さすがに80時間クラスで休む人は皆無のようで貸切り状態、
コーヒーを一口すすったら、情けなくて涙が溢れてきました。
泣いていることを誰にも見られたくなかったので、そのままテーブルにうっぷしていると、
どうもそのまま眠ってしまったようで、目が覚めた時はコーヒーがすっかり冷めていました。
冷めたコーヒーを一気に飲み干して、自分に問いかけてみます。
…何しにフランスに来たのか…最高の夢を見に来たのさ…
こんなところでめそめそしてたらせっかくの夢が台無し〜、
眠ければそれなりの走りで夢を続けましょう!
何か無理やりの空元気だな、なんて他人事のような感想を思ったりして、
真っ暗になってしまったブレストへの道に再び自転車を乗り出すのでした。